FigJam は、声に出して考えるのにぴったりの場所です。チームがボードを開き、付箋を貼り、いくつかの箱と矢印を描けば、20 分後には新しいサービスが古いサービスとどう通信するかで全員の意見がまとまります。問題が始まるのは 1 週間後です。そのスケッチがいつの間にか「アーキテクチャ図」になり、誰かがそれを正しい状態に保たなければならなくなります。
この記事は、その 2 つ目の仕事についての話です。いまチームでアーキテクチャ図に FigJam を使っているなら、なぜ Archboard のほうが図の置き場所として適しているのか、日々の作業で何が変わるのか、大がかりな移行プロジェクトなしでどう移れるのかを紹介します。
要点
- FigJam はホワイトボードです。 付箋、スタンプ、投票、タイマー、カーソルチャットなど、ライブセッションのために作られています。アーキテクチャは、そこに描けるたくさんのものの 1 つにすぎません。
- Archboard はアーキテクチャのためのワークスペースです。 ノードは自分が何であるか(Kubernetes の
Service、C4 のContainer、ファイアウォール)を知っており、エッジはポートにつながり、すべての図は自動保存とリビジョン管理を備えた 1 本のリンクの先にあります。 - Archboard は両方をカバーします。 メモ、ステッカー、マインドマップがアーキテクチャのパックと並んでいるので、ブレインストーミングも残しておく図も同じキャンバスにまとまります。
アーキテクチャ図が FigJam に収まらなくなる理由
長方形はただの長方形
ホワイトボードでは、意味はラベルの中にしかありません。「orders-api」と書かれた箱の横に Kubernetes のアイコンを貼れば正しく見えますが、ボードはそれが Deployment なのか、Service なのか、外部システムなのかを知りません。FigJam の図形ライブラリには確かに AWS、Azure、Google Cloud、Kubernetes のアイコンがありますが、アイコンは型を持たないため、同じチームの 2 人がやはり同じものを 2 通りに描くことになります。数か月もすると、凡例は誰かの頭の中にしか残っていません。
図がワークショップの中に埋もれる
FigJam のボードは大きくなるように作られています。付箋、投票、振り返りのメモ、スクリーンショット、誰かが試した 2 つ目の案。会議中はそれが強みです。しかし会議のあと、オンボーディングやインシデント対応で本当に必要な部分は、大きなボードのどこかにあるフレームの 1 つになり、チームが却下した案のすぐ隣に置かれています。新しく入ったメンバーには、どのフレームが現在のシステムなのか分かりません。
エンジニアがデザインツールの中で暮らすことになる
FigJam のファイルは Figma の中にあり、プロダクトデザインの作業と並んでいます。編集するには FigJam を含む Figma のシート(Collab、Dev、Full のいずれか)が必要です。権限は Figma のチームとプロジェクトに従いますが、それらは通常サービスではなくデザインを軸に整理されています。Figma の無料の Starter プランでは、1 チームにつき FigJam ファイルは 3 つまでです。サービスや環境、意思決定ごとに図が欲しくなると、すぐに足りなくなります。
どれも FigJam が悪いツールだという意味ではありません。FigJam は会議のためのツールだということです。そしてアーキテクチャ図は、会議のあとも生き残らなければなりません。
Archboard ができること
Archboard は、次の四半期になっても正しくなければならない図のための、ホスト型ワークスペースです。Google か GitHub でサインインすれば、クレジットカードなしでキャンバスを使い始められます。
システムのために作られたノードパック
カタログには 27 のパックと 223 種類のノードがあり、Kubernetes(33 ノード)、C4 Model、Cloud、Network、Security、Data、DevOps、Docker、Sequence、UML、Entity Relation、BPMN などが含まれます。Namespace フレームを置き、その中に Deployment、Service、Ingress のノードを入れます。C4 のビューでは、境界の中に Person、Software System、Container のノードを使います。種類はノード自体が持っている情報であり、ラベルから推測するものではありません。
ばらばらの矢印ではなく、ポートとフレーム
エッジはノードのポートに接続されるので、要素を動かしても外れず、Ingress から Service へのトラフィックや、あるコンテナから別のコンテナへの呼び出しといった実際の依存関係として読めます。フレームは namespace、VPC、信頼ゾーン、C4 のシステム境界といった境界を表し、中身をひとまとめに保ちます。
常に最新の 1 本のリンク
すべての図は自動保存され、リビジョンのスナップショットが残るので、「どのバージョンが正しいのか」という問いの答えは 1 つです。ドキュメントに PNG を貼る代わりにリンクを共有するか(Free ではブランド表示付き)、Pro ならドキュメントサイトにライブの図を埋め込めます。システムが変わったら図を 1 回更新するだけで、その図を参照しているすべてのページが最新になります。
ブレインストーミングの場所もある
ホワイトボードの機能を手放す必要はありません。Archboard には、アーキテクチャのパックと並んで、付箋、テキスト、ステッカー、マインドマップ、ボードがあります。設計の議論をキャンバス上のメモから始めて、型付きの図として仕上げられるので、ツール間で何かをコピーする必要はありません。
図はデータになる
図は構造化された JSON としてインポート・エクスポートでき、すべてのプランで SVG と PNG も使えます。Pro では PDF、JPEG、アニメーション GIF/WebM のエクスポートが加わります。JSON のエクスポートをコードの横にコミットしておけば、アーキテクチャがどう変わってきたかをレビューできる記録になります。
FigJam と Archboard の比較
| FigJam | Archboard | |
|---|---|---|
| 主な役割 | ライブのホワイトボードとワークショップ | 最新の状態を保つアーキテクチャ図 |
| 構成要素 | 汎用の図形、コネクタ、付箋 | 27 のノードパック、ポート付きの 223 種類のノード |
| アーキテクチャ用パック | AWS、Azure、Google Cloud、Kubernetes のアイコン図形。型付きノードはなし | Kubernetes、C4 Model、Cloud、Network、Security、Data、DevOps など |
| 図の置き場所 | デザイン作業と並ぶ Figma のファイルとプロジェクト | Archboard のワークスペース。図ごとに 1 本のリンク |
| 履歴 | Figma のバージョン履歴 | 自動保存とリビジョンのスナップショット |
| 図の意味 | 意味はラベルの中だけ | ノードの種類、ポート、境界が図そのものに含まれる |
| 無料プラン | Starter で FigJam ファイル 3 つ | 1 シート、3 ダイアグラム、図ごとに 15 ノード+メモ・テキスト・ステッカー・マインドマップのトピック 150 件、全パック |
Free と Pro に含まれる内容を含め、プランの詳細は /pricing のページをご覧ください。
よくある移行例:プラットフォームチームのクラスターマップ
昨年の計画合宿で作った FigJam ボードでクラスターの全体像を管理しているプラットフォームチームを想像してください。ボードには Ingress レイヤーの案が 3 つ、振り返りの付箋が 1 列、そして 2 つのサービス名が変わってから誰も触っていない「current」というフレームがあります。
Archboard では、同じ内容が次のようになります。
- 問いごとに 1 つの図。 「トラフィックはどうやってクラスターに届くのか」と「どのサービスがどのデータを持っているのか」は、1 つのボードを共有せず、それぞれ専用の図になります。
- 型付きの構成要素。 Cloud パックの Kubernetes Cluster ノードの下に
Namespaceフレームを置き、ServiceとDeploymentのノード、そして Ingress コントローラーのPodをポートでつなぎます。 - スクリーンショットではなくリンク。 オンボーディングのドキュメントとインシデントのランブックは、ライブの図を参照します。
- シンプルな習慣。 プルリクエストでマニフェストが変わったら誰かが図を更新し、いつ変わったかはリビジョン履歴で分かります。
ダイアグラムの内容
- Planning workshop
- prod-cluster
- ingress-nginx
- ingress-nginx-controller
- checkout
- payments
- becomes
- /checkout
- /payments
- charge
FigJam のボードを消す必要はありません。合宿の記録として残ります。クラスターマップは Archboard に置きます。すぐに使える出発点が欲しければ、/use-cases/kubernetes のページを見てください。
FigJam から Archboard への移行
移行は思ったより簡単です。ボード全体ではなく残す価値のある部分だけを描き直せばよく、型付きノードのおかげで各ステップも素早く進みます。
- いちばんよく開かれる図を選びます。 たいていはオンボーディングのドキュメントやランブックからリンクされている図です。
- サンプルから始めます。 /examples のギャラリーには、出発点として使える Kubernetes、C4、クラウド、ネットワークの図があります。
- 型付きノードで描き直します。 ラベル付きの長方形は本物のノードに、破線の箱はフレームに、ばらばらの矢印はポート同士をつなぐエッジに置き換えます。
- スクリーンショットをリンクに置き換えます。 ドキュメントやチケットからは Archboard の共有リンクを参照するか、Pro なら埋め込みを使い、FigJam のボードは履歴として残します。
最初の図で試すなら Free で十分です。本番環境の完全なマップには、図とノードが無制限で、埋め込みや透かしなしのエクスポートも使える Pro が向いています。
よくある質問
Archboard は無料で使える FigJam の代替ツールですか? 1 人で使うならそうです。Free プランには 1 シート、3 つのダイアグラム、すべての組み込みノードパックが含まれ、図ごとに 15 ノードと、メモ・テキスト・ステッカー・マインドマップのトピックを合わせて 150 個まで使えます。ライブで一緒に編集したいチームや、図とノードを無制限にしたいチームは Pro を使います。
Archboard の料金体系はどうなっていますか? Free では、すべてのノードパックを使える 1 シートが含まれます。Pro は 1〜5 シートで 1 シートあたり月 10 ドルで、図とノードが無制限になり、ロール、埋め込み、リビジョン履歴が使えます。Enterprise は 6 シート以上が対象で、SLA、セキュリティレビュー、専任サポートが加わります。シートは図を編集する人の分だけ購入してください。それ以外のメンバーは共有リンクで図を閲覧できます。
FigJam のボードを Archboard にインポートできますか? 直接はできません。Archboard は独自の JSON に加えて Kubernetes YAML と Docker Compose のファイルもインポートできるので、クラスターマップはマニフェストから始められます。残す価値のあるほかの図は、チームがいちばんよく開くものから描き直してください。型付きノードとポートを使えば作業は速く進み、元のボードよりもすっきりした図に仕上がります。
Archboard には FigJam のようなライブカーソルがありますか? はい。編集権限のある全員に、ライブカーソルと変更がその場で表示され、MCP で接続した AI エージェントも同じように見えます。タイマーや投票はありません。変更は自動保存され、リビジョンが残り、Pro と Enterprise ではロールで編集できる人を管理できます。同じキャンバスでブレインストーミングしたいときは、付箋、ステッカー、マインドマップを使えます。
Archboard には AWS、Azure、Google Cloud の公式アイコンが含まれていますか?
Archboard の Cloud ノードは、公式のアイコンセットではなく、型付きでベンダーに依存しないノードです。ロゴが欲しいときは、挿入検索のブランドアイコンで AWS Route 53 などのプロバイダーのロゴを追加できます。各ノードに Route 53 や Cloud SQL などのサービス名でラベルを付ければ、どのクラウドでも図が分かりやすく一貫したものになります。